hajime363

スウィング・キッズのhajime363のレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
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F**k ideology!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

監督、観客の心を弄ぶの上手過ぎる…

◆1950年代の朝鮮半島。ドキュメントフィルムに写し出される“共和国捕虜を14万人収容した施設”の様子。曰く、収容施設で資本主義に感化された捕虜と原理主義的な捕虜との間で血みどろの対立が生じていると…

◆前述の状況説明で「そんなドラマティックな史実があったんだ」と開始30秒で前のめり。
一方で“ウエストサイドストーリー”的な映画的外連味の為の演出に「なるほど、演出に力を入れてるなら、とりあえず左脳は活動休止かな」と、ちょっと引いてみてからの“俺、出所する前は○○やってて、出所出来たら…”という死亡フラグへのメタ目線から急展開(「sunny」でもジャンル映画へのメタ言及ありましたね)。

◆やっぱり“何者にでもなれたあの頃”っていうキーワードはあると思うんです。
本作ではそこに環境要因とモチベーション≒初期衝動(何のために?)を加えている点で「sunny」よりもメッセージ的には踏み込んでいるのかな、という印象。

◆目的と手段という普遍的命題。何のために踊るのか?対比される5つの思惑と言語化出来ない共通点。初期衝動への憧れと諦め。
形骸化したイデオロギーとの対比は滑稽でシニカル。
だって、理由なんて無いって言いながら表現としての映像は具体的なんだもの…
映画そのものがテクニカルかつ具体的表現であるからこそ、どうやっても“あの頃”を取り戻せないんだよな~

◆あの頃に囚われているという見方も出来る分だけ「sunny」よりも意地悪だと思う。
まぁ、一貫して反面教師ということなのかな。ツアーという枠組みでしか悔恨出来ないなんてpoison
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