静かな鳥

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!の静かな鳥のレビュー・感想・評価

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YouTubeにて期間限定で無料公開されていたので鑑賞。監督が細田守に、脚本は『聲の形』の吉田玲子! 凄いタッグ。
「デジモンアドベンチャー」のことは全く知らないので、楽しめるかどうか不安だったが杞憂に終わった。面白い。40分があっという間。OPの入りで、たまごが割れて新種デジモンの目が見えるカットからキマっている。

『サマーウォーズ』の原点的な作品、というのは聞いていたけど此処までとは。ストーリーもさる事ながら、闘う主人公達を世界中の人々がパソコンを通して見守っている絵面とかそっくり。インターネット空間の世界観・ヴィジュアルも、本作の時点で既に完成している。

超ミニマムな空間から最後まで出ること無く「世界を救う」という壮大さのギャップも良い。また、最小限に抑えられたキャラクターも魅力的。パンケーキを作る太一(この名前が呼ばれると、どうしても野村周平が脳裏を過る映画『ちはやふる』ファン)のお母さんとか最高にキュートだし、島根のおばあちゃんも端役ながらいい味を出す。

また、細部まで演出が充実している。太一が仲間達に電話で連絡しまくる後ろ姿や、パソコンに向かい合う太一と光子郎を繰り返し同じ構図で映す。途中から意味合いが一変する飛行機雲。パソコンの画面を触った時に、指がふれている周りの液晶が歪むのを捉えるのがリアル。時折、べたーっとした平坦な画が挟まれるのも面白い。

終盤の展開は『ミッション:インポシッブル/ゴースト・プロトコル』っぽい(製作は本作の方が全然前だが)。カウントダウンが、ケーキの出来上がりや試験終了のタイミングと重なるのはベタだけど愉しい。決着のつけ方もインターネットという世界観ならではで唸らされた。


そういえば、テントモンはなんで大阪弁なの?
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