だいすけ

天気の子のだいすけのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.5
典型的なセカイ系。思春期の少年の自己中心性が表現されている。大人になるにつれ、世界は自分の意思とは無関係に回っていて、自分は世界の構成要素に過ぎないことを自覚するようになるが、新海誠はあくまでも自己中心性にこだわる。新海誠は未だ少年のような心意気で映画を通じて世界を創造しているに違いない。

雨の描写がとても美しい。雨が描きたくて「天気」のモチーフを選んだんじゃないかと思うほど。しかし、「天気」は自己中心性と大きく関係するモチーフだと感じる。「天気」は自分の影響力の及ばない現象の象徴であり、大人になることは「天気」を操ることを諦めていく過程である。それでも、自己が秘める「天気」を変える可能性を信じ、世界をひたむきに走り続ける若さは忘れずにいたいものだ。
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