ユースケ

天気の子のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本のジェリー・ブラッカイマーこと川村元気のプロデュースによって興行収入の代わりに童貞臭=作風を消臭=封印されてしまった前作【君の名は】から3年。
キラキラした美しい風景、キラキラした可愛い女の子、逆光&ハレーションに加え、新たに手に入れた神々しい薄明光線を武器に運命の赤い糸を信じるセカイ系の伝道師・新海誠のリベンジがはじまる。

とにかく、ヒロインの元へ全力疾走する主人公の姿とシンクロするようにRADWIMPSの楽曲が連べ打ちされるクライマックスは恥ずかしいくらいエモーショナルで否が応でも胸熱。観衆=観客に何と言われようと線路=売れ筋を無視して全力疾走する主人公に新海誠の決意を感じました。映像と音楽がドンピシャでシンクロする興ざめ寸前の感覚もたまりません。

世界の形を決定的に変えても、僕と彼女の恋愛が成就すればそれでいいんです。主人公が成長しなくてもヒロインがチョロくてもいいんです。東京は元々海だったように、新海誠の作品は元々エロゲーみたいなものなんだから。元に戻っただけなんです。

ライ麦畑でつかまえてと拳銃の件はあざと過ぎてあんまり好感が持てませんでしたが、クソリプばかりのYahoo!知恵袋やラブホで食われるカップヌードルなど、【トランスフォーマー/ロストエイジ】を思わせるプロダクトプレイスメント・ギャグは悪くなかったと思います。

【天空の城ラピュタ】【千と千尋の神隠し】を思わせる空落ちや【パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻】【崖の上のポニョ】を思わせる東京水没でポスト宮崎駿は新海誠にほとんど決まりだ。