映像的には面白かったです。サム・ライミ印のホラービジュアルが勝って、インセプション感が減ったのは少し残念ですがw話はめちゃくちゃ。
ドラマワンダの続編なのか、ストレンジの続編なのか、アメリカちゃんのスタートなのか、マルチバースの途中なのか……全部が均等配分で何を見せられてるのやら…とっ散らかっていました。ただ監督サム・ライミなんで、主張が凄いというか作家性が滲み出てるというか…統一感はある。色んな材料をぐちゃぐちゃに混ぜた料理を、味の濃いサム・ライミソースで強引にまとめた…みたいな作品。多分サム・ライミソースでまとめてなかったら悲惨なものになってたような…
肝のマルチバースは、スパイダーマンみたいにキャラクターのエモーショナルな絡みに使う感じではなく、あくまで世界観設定で使ってるという印象。一応、おっ!というキャラクター出てきますが、ほぼモブ。あれならやらなくて良い。だって将来あるだろう、本番の絡みの感動が薄まるから。
あとマルチバース関連でいうと、世界の数だけ主要キャラクターの分身が沢山いるってことで、MCUにおける命の大切さが薄まってるというか…軽くなってしまってると感じました。今回は特に仲間同士の殺し合いって事も相まって…途中誰が死のうがどうでも良くなってきましたね…レイチェルも違うレイチェルでしょ?あれ。ワンダも違うワンダ。どうでもよくなるー…。
良かった点は…アクションなんですが、冒頭の目玉モンスターのシーケンスと、後半の音符バトルシーケンスでした。どちらも新鮮な描写で素晴らしかったです。目玉モンスターは色味含めてスーサイドに似すぎていますがw