ギズモX

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのギズモXのネタバレレビュー・内容・結末

2.1

このレビューはネタバレを含みます

自分が好きなものに、嫌いな調味料をドバッと付け足されたような気分になる映画でした。

僕はDisney +に入っていないので鑑賞する前は話を理解できるか心配だったが、別次元のワンダが双子を産んでいる設定には、戸惑うことなく付いてこれたのでこれは親切で有難かった。
演出も『死霊のはらわた』テイストが全開で、『死霊のはらわた』シリーズの番外編として見るなら十分に楽しめた。
でも、MCUとして、アメコミ映画として見るならこれはどうなのよ?

特にスカーレットウィッチ、ワンダが見るに堪えない。
大の大人が被害者ムーブをかましときながら、一人の少女を次元を越えてまで付け回して人を殺しまくった挙句、別次元のワンダの精神を乗っ取って他所の双子の親に成り代わろうとする、この精神に終始イライラした。

彼女が他のマルチバースから来た別人だったら僕も納得しただろう。
でも、あのワンダは今までのMCUで仲間達と一緒に戦ってきたじゃないですか。
なぜあんな邪悪なヴィランに闇堕ちさせたのかが理解できない。

救済措置ならいくらでもとれたはずだ。
仲間に相談するとか、アメリカチャベスみたいな身寄りのない子供を引き取るとか、『エンドゲーム』ラストのキャップみたく、昔にタイムトラベルしてヴィジョンを救うとか。
他に道はなかったのか?
"不公平""可哀想"で終わらせてしまったのにはマジで腹が立った。

『イルミナティ』も酷い。
少女監禁、魔女裁判、歴史修正、果てには世界一つをぶっ潰すなど、連中がしでかしたことはサノスがやったこと以上の甚大な被害がでている。
ぶっちゃけた話『ザボーイズ』のセブンと何が違うのよ?

でも、そんな不届き者を嘲笑うかの如くゾンビヒーローが墓から蘇って、一人の少女を救うべく立ち上がる、この構図!これがもう本当に最高で、死霊がワンダに向かって「○ねー!」って言った時は胸が高鳴った!
あんな奴、アメリカチャベスとクリスティーンともう一人のワンダにボコボコにされてりゃよかったんだ。

サムライミ作品として見るなら悪くない。
カマータージの面々やアメリカチャベスも良かっと思う。
でも、一部のマーベルキャラクターが心底嫌いになった。
今は『ザボーイズ』シーズン2と『ワンダーウーマン』が観たいです。

あと、この映画はマルチバースを舞台にしているが、ヒーローもヴィランもこちら側の人間で、しかも別次元に移動した理由は、"たまたまその世界とゲートが繋がっただけ"であり、そこで特別な何かが起こる訳でもなかった。
だから、別次元で登場した連中は"ただの巻き込まれ役"でしかなく、これならマルチバースを舞台にする必然性はなかったと思う。
ギズモX

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