遂に観ましたよ、ラッセルクロウ主演のエクソシスト映画『ヴァチカンのエクソシスト』通称"ヴァチクソ"
カトリックは総本山、バチカンのローマ教皇に仕えるチーフエクソシスト、ガブリエーレアモルト神父の回顧録を基とする娯楽作品。
構成が良く出来ててとても面白い！
エクソシストものというより、警官バッジと銃を聖具に変えて悪に立ち向かう刑事ドラマな印象を受けた。
本作は実在した聖職者を描いた物語であるものの、エンタメに振り切った作品なのでリアリティ性は皆無だ。
教会のリアルがこれ程にエキサイティングだったらさぞ幸せなことだろう。
ただ、中には足に地が着いた描写もある。
エクソシスト事案の98%が精神疾患、神父の移動手段が原付バイク、重たい会話の中に挟まれるジョークなどなど。
聖職者や教職者にとってジョークは大事な武器。
礼拝の説教が上手い人は総じてジョークが上手い。でないと途中で疲れてくるからね。
エクソシストものの金字塔、フリードキンの『エクソシスト』が堕落した社会で生きる自分自身との戦いだったのに対して、本作は数万回という悪魔祓いを行なった男が見た世界、それは悪魔の存在を否定する派閥との衝突や迫害という教会の暗黒史であり、我々とは違う目線から自分を含めた教会内部、そして人間社会を正す戦いであるように思えた。
悪魔が神の名を偽って罪を成す時代において、自分はどうあるべきで何を発信していくか。
これは尽きない課題である。
あと、『続荒野の用心棒』で名を馳せたフランコネロがローマ教皇を演じていて超嬉しかったです。
