今作は、犯罪とは無関係だったのにも関わらず、黒人というだけで冤罪になり、死刑を宣告された男を救った実在の弁護士ブライアン・スティーヴンソンが、自身の経験を書いた本「Just Justice」を元に作られた映画。
アメリカで、黒人に対する冤罪による死刑が、どんだけあるのかと思って恐ろしくなった。
この映画に出てくる死刑囚のウォルター・マクミリアンは、犯行時間には、殺人現場から離れた場所に、複数の目撃者と一緒にいたのにもかかわらず、マクミリアン自身も、目撃者達も、皆、黒人であるがために、全く無視され、殺人犯とでっちあげられ、死刑を宣告されていた。しかも、再審を請求しても、ことごとく却下され、完全に歪んだ司法で裁かれ続けた。とにかく、これが、実話だというのが、本当に恐ろしい。
そんな苦難な状況を、自身も差別を受けながら乗り越えた黒人弁護士ブライアンの屈しない精神力には、ひらすら感動を覚えた。
それにしても、この邦題がダメだなと思う。
ブライアン・スティーブンソンを演じたマイケル・B・ジョーダンとウォルター・マクミリアンを演じたジェイミー・フォックスがとても巧かった。