イバ

21ブリッジのイバのレビュー・感想・評価

21ブリッジ(2019年製作の映画)
4.1
#21ブリッジ 予想以上に最高のクライムアクション作品だった。
事件も犯人も警察も、社会的な問題を抱えた「人」の背景が丁寧に描かれている。単純な善悪を描くのではなくリアリティある複雑な構造的問題を提起している。
また作品全体を通じて役者・スタッフ、そして物語の題材となった人々へのへのリスペクトが感じられた。

主役のアンドレを演じたチャドウィック・ボーズマンは言わずもがな、素晴らしい演技だった。悪人に父親を奪われたことから、犯罪・犯人に対しての復讐心をもつが、悪事を働いた者に対しても耳を傾け事件を解決に導こうとする執念も見える。複雑な役を説得力を持って演じていた。素晴らしかった。

この作品で最も好きだったのは人物描写、演出がすごく丁寧で、どのキャラクターも深掘りされていたことだ。
脚本もセリフが少なくてもその人物の人となりが観客につたわるようになっていた。特に犯人役のマイケル(ステファン・ジェームズ)とレイ(テイラー・キッチュ)がこれまでの映画の犯人役よりも作中で深掘りされていて、中盤から2人が警察と対人すると、その境遇を考えて複雑な気持ちになった。
あち、キャスティングがとても良かった。
特にマイケル演じるステファン・ジェームズはチャドウィック・ボーズマンとのシーンでも負けていなかった。存在感がり魅力的。今後注目したい。

チャドウィック・ボーズマンの新たな魅力を存分に感じた忘れがたい作品だった。
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