期待値は低かったが、度肝を抜かれた。
『ノマドランド』が描くのが「リアリティ」だとすれば、この『21ブリッジ』が提示する問いの一つは「リアリズム」についてのものだ。悪を悪としてキャンセルするのではなく、悪とされるものの中にある合理性に目を向ける。新しい価値観にウォーク(woke)になると忘れがちな発想だ。
女性の麻薬班をバディーにつけられたシーンで、「政治の関係か?」「政治は関係しない」みたいな会話があって、そりゃポリティカル・コレクトネスの話なんだけど、この訳だと分からない人多いんじゃないの?
↑でもあるような、あえて正しくない感覚を持ち込んでくるも、それが終盤で意図的なものだと気付かされる脚本も見事すぎました。