mさん

21ブリッジのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

割とアクションも地味で「都市を全て封鎖」という風に言ってはいるけど、深夜だし市民もそこまで描写されないのであまり盛り上がっていない。

ただ警察の方が悪く、主犯側は巻き込まれたというふうな構造や、それが引き起こす不自然な演出は見てて新鮮だった。
警官は犯人にやたらめったら発砲する。
「確かにそれが正しいんだけど、なんか違う」
と観客は違和感を感じる。でもこれはこういう世界なのかb級映画的なノリなのかな、特に言及されずにこちらが受け入れないといけないのかなと思っていると、実は警察側の秘密を握ってるから全員の警官が殺したいという風に思っているという自然な仕組みが明かされるので、ちゃんと俺らの違和感を抱かせた上で回収するのが嬉しかった。

もっとこの本当の正義って何?みたいな部分を強化して観客を揺さぶってほしかった。電車でのシーンとかはよかったんだけど、ここでいう「もっと」は主役が主犯を助け出して、構図が逆転するところまでいってくれたらいいのにと思った。主役の理由さえあれば容赦なく銃で撃つの設定が「主犯をさっさと撃ってくれるだろう」という所長の期待で終わってたのが残念で、もっと本当の正義、真実を明らかにするという名目さえあれば景観だって殴ったりするレベルの使われ方をして欲しかった。あのキャラならそれができた気がする。

やたら死んでいった警官がどうたらとか許さないとか所長が言ってて長いなと思ったけど、本当は主役を焚きつけてさっさと主犯を殺してほしいと思ってて、全然正義とか関係ない気持ちなんだと思うとなんであのシーンを長く見せたかがわかる。上っ面の正義を見せたかったのだと思う。だけどやっぱり会話だから長いなと思っちゃう。


アクションとしての盛り上がりもそんなない。
ラストも所長の部屋で話し合って、ちょっとだけ撃ち合うだけなので、ラストとしての最後のアクションシーンとしてはちょっと静かすぎるので、こっちも熱くはならずに静観していた。
mさん

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