賽の河原

AI崩壊の賽の河原のレビュー・感想・評価

AI崩壊(2020年製作の映画)
3.6

AIが崩壊する話です。
入江悠監督の作品、まあまあ好きな作品が多くてね。「上映されたら観る」ってリストに入ってる映画監督ですけど『22年目の告白』『ビジランテ』あたりまでは観れてたんですけど、前作の『ギャングース』がかなり不遇な扱いだったというか。あっという間に上映終了したイメージだし、公開規模も広くなかった感じで見逃してしまったんですよね。
本作『AI崩壊』もね、ちょっと後悔のタイミングが不運な感じでね。春休みシーズンってことも考えれば本来もう少しハネてもいい映画なんですけどねえ。普通に頑張ってていい映画でしたよね。#最高 #この前に観た作品が頑張ってなさすぎるというのはある
この映画、なんとなくやりたいことはハッキリしてる感じがしてね。2000年代っぽい映画っていうかさ。2000年代のハリウッド映画でこういう緩めなんだけどアクションもあるSFみたいな作品結構あったじゃないすか。そういう感じですよね。ガチガチのSFっていうよりもっていう。
結構ディテールとかも頑張ってると思うんですよ。まあもろHAL9000みたいなAIのサーバールームですか?あれも絵的には既視感あるかもしんないですけど日本映画でこういうものをきっちり作って撮ったことが偉いと思いましたよ。
あとは銃だとかさ、船だとかさ、クルマとかさ、アクションの見せ方も多彩でまあただの追っかけっこ楽しめますよね。特にカーアクションのシーンなんか、腐してる人いましたけど、カーアクションを日本でこんだけ頑張って撮ってる時点で結構称賛に値すると思うんですけどね。そらまあカーアクションみたいなのはさ、資本力と道交法の違う海外と比べるのはいかがなものかと思いますけど、序盤の大沢たかおが逃げるアクションというのは実に日本らしいというか。人口密度と街の狭さを見事に活かしたチェイスシーンになってると思うし、そのチェイスシーンがあるからこそ本作の主題であるAIだとか監視社会みたいなものに説得力が出るっていうね。
やっぱり黒幕マンが登場シーンから黒幕ヅラしすぎとかいろいろツッコミどころはあるにせよ。日本であんまり撮られないジャンルの映画を取ろうという気概、頑張りが伝わってきて最高でしたね。
賽の河原

賽の河原