takanoひねもすのたり

ザ・カニバル・クラブのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ザ・カニバル・クラブ(2018年製作の映画)
3.0
ブラジル版『ブルジョアジーの秘かな愉しみ』……かなあ🙄

・上流階級の男性達で構成される秘密のクラブ(セックス鑑賞+殺害+食人)
・上流階級に属する夫婦オクタヴィオとジヴダも自分達の豪邸で密かに同様のことを愉しんでおり、NTR+窃視症+カニバリズムというトリプル変態性癖夫婦。
・ジウダが国会議員の秘密を目撃したことによる波紋。
・そこに巻き込まれる求職中だった一般人のジョナスさんの災難。

高コントラストの、南米の日差しの強さってこういう感じなのだろうなあという彩度が強い映像、秘密クラブのシーンやジョナスさんの使用人部屋のシーンだけがほの暗い。

カニバリズムの場面は非常に上品になっており、序盤の解体シーンがハイライト。
調理された人肉は美しいステーキになっていたりシェラスコで提供されたりの食べる側は美食家のテイ。

ブラジルの貧富の差、治安を買えるのはお金を持っている側、海に面した美しいプール(掃除が大変そう)広々豪邸、物々しい玄関のセキュリティ、豪邸を囲む塀、反面雇われる使用人部屋の粗末さなど、貧富の差と上流階級への皮肉は何となく。

カニバリズムを扱っているけれど、おそらくそれは上流階級の悪趣味を際立たせるためで、国会議員が「男色など許さん」と演説する裏側で男色に耽っていたり、警備会社のトップであるオクタヴィオがやたら防犯に神経質になるおかしみとかの風刺がメインなのかも。

セックスと殺人とカニバリズムという猟奇的側面より風刺が強いのでこれはブラックコメディになるんだろうか……?
最後のオチもそんな感じだったし。
ただテンポもストーリーもひたすら真面目なので鑑賞中コメディだと受容して観ることはなくて後から(そうなのかな……?)と迷っちゃうケース。

お肉料理が美味しそうでした。