つるみん

クーリエ:最高機密の運び屋のつるみんのレビュー・感想・評価

3.9
【I’m going to get home to you…】

1962年10月「キューバ危機」が勃発。世界を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、政府と一切関わりのない英国人のセールスマンだった…。

断言する。本作、ベネディクト・カンバーバッチ史上イチの役者魂を感じる作品といって間違いないだろう。彼は本当に何にでもなれる。アラン・チューリングでもドクター・ストレンジでもない、確実にグレヴィル・ウィンであり、ただのセールスマンになっていた。その役者としての演技力の高さに加え、過酷な撮影と減量により限界寸前まで身を追い込んでいた。その変わりように言葉を失う。

スパイ映画と言っても『007』のような格好良く、スタイリッシュなアクションがある訳ではなく、韓国映画の『工作』のようなリアルを追求したスパイ映画となっている為、ドンパチを期待されている方は観ない方が良い。ドラマ的、そして歴史的な深さを理解をする為に観る価値があると言及するとともに、ベネディクト・カンバーバッチの魂の籠った演技力を是非、映画館で観ていただきたい。
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