チーボー

童年往事 時の流れのチーボーのレビュー・感想・評価

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)
4.3
アハの目から見える景色を束ねた、分厚いスケッチブックのような2時間。
叙事的でも、叙情的でもある。

マッチョイズムは男児の論理、半グレ少年の社会、理性の磨礪を拒んでフィジカルに生きるその延長線には軍の論理、力の論理

「遺伝子」とか「本能」とかを盾にそういったものを正当化する向きがあるけど、
仮にヒトの本能が力の論理や生存競争の論理に従うものだったとして、も、
社会を営む上で本能的なものに抗わなければ不平等ないし不都合が生じる場合が多々あって、

そういった本能に抗えるようになってくる過程、というのが社会、および社会的生物の成熟なのだから、
本能や遺伝子とは逆のことをやっていけるようになろうよ、その方向へ努力したい。

というようなことを橋本愛さんも仰っていました。
すみません、ただのファン活弁です。
(オタク、を名乗るのが烏滸がましい場合"オタク語り"の代わりにこれ使って下さい、ファン活弁)

両親、そしておばあちゃんの移ろいゆく姿、その喪失から、
また、あくまで成り行きとしてたまたま積むことになったケアの経験から、
アハが社会的振る舞いを了解し、徐々に獲得する過程を記録したもの、と言えるのかなと思います。

お姉さんが直面した無念、不条理にも気づいたのはいつだったんでしょうかね…
チーボー

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