安堵霊タラコフスキー

ラン・ローラ・ランの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)
4.5
先日見たビデオで予告が流れて懐かしい気持ちになったけど、よく考えたらこの意欲作の時点でトム・ティクヴァはキェシロフスキを意識した作品作りを行なっていたのかもしれない。

というのもこの作品は構成がキェシロフスキの偶然と殆ど似通っていて、なんでそんな構成で語り得るのかが映画パワーとしか言えない点も共通しているが、そういえば偶然における分岐の起点も駅で主人公が走る場面だったから「走る」ということでトム・ティクヴァが関連付けたとも考えられる。

普通にタランティーノばりに独特な世界観やアニメ等を駆使した斬新さとかだけでも評価に値するが、加えて過去作品へのオマージュを巧妙に自作へ落とし込むセンスというのも感じ取れ、そういう作品は後のキャロルみたく余計に評価したくなってしまうけど、どうやら自分は他作品への敬意を自分の作品に取り込む映画っていうのも結構好きらしい。