回想シーンでご飯3杯いける

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.8
「盲目のピアニスト、アーカーシュの誰にも言えない秘密。それは、本当はバッチリ目が見えること! 芸術のため盲目を装う彼はある日、殺害現場を“目撃”してしまう!」

このあらすじを見ただけで、うわ、面白そう!と食いついてしまった。

しかし、実際に劇場で観てみると、冒頭のこの流れもさほどコミカルに描かれておらず、更にその先、臓器売買や赦しを題材にした、なかなかダークなストーリー展開になって行く。インド映画なんだからエンタメ要素全開で笑わせに来るだろうという固定観念を見事に裏切る、なかなか個性的な作品だ。

ただ、所謂「不謹慎な笑い」を期待していた僕のような観客からすると、後半のシリアスな展開は、まるで説教されているような気分にもなってしまい、何だか居心地が悪い。

日本版チラシのキャッチコピー「見えすぎちゃってスイマセン」も拙かったのでは? ミスリードを狙ったのかもしれないけど、いくらなんでも軽過ぎる。とても良くできた作品だと思うので、先入観を捨てて、もう一度、最初から見直したい気分だ。