宮本、あんたやっぱすごいわ。
とにかく原作への思い入れの熱さを感じた。痛快ストーリーでは全くないし、不器用で馬鹿正直な宮本は世間のどうにもならない悪意に翻弄されまくる。その悪意に抗い続ける宮本の姿、セリフにこっちは時に勇気付けられ、またぶん殴られた気分になる。そんな原作特有の力強さと汚さを再現できたのは、宮本というある意味バケモノを池松壮亮が見事に演じきったという功績が大きい。純粋さと優しさと狂気とやらしさを兼ね備えながら、等身大の人間としての宮本の姿に漫画では味わえなかった感動を貰った。
そして宮本浩次の主題歌。世の中は気持ちだけじゃどうにもならないことばかりで、それでも世の中全てを敵に回して抗う男の生き方の哀しみと痛快さ、そういったものが全て詰まった名曲。これはこの映画でしか生まれなかったある意味奇跡だったと思う。
ドラマ未見でも楽しめたけど、前半の仕事に奮闘する宮本の姿を実写でぜひ見てみたい。
