あんびー

瞳をとじてのあんびーのネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

エリセ監督が過去2作品から時間を経てこの時代にこの作品を発表したことが必然であったことを目の当たりにできたことに本当に感謝したい。

随所に「ミツバチのささやき」のセルフオマージュが現れているが、それは本作が「記憶とアイデンティティ」を主題にした作品であり、映像媒体が変化する現代で人がその人たる所以はどこに存在するのか、過去のエリセ作品の要素を通して静かに問いかけてくる。

それはつまるところ「魂」であり、それが存在するのはエリセ監督にとってはメディアでもなく写真でも単なる映像でもなく「映画」なのであり、劇中でも映画を通して過去の記憶を取り戻そうとするフリオのように、人の生活と映画は切っても切れない存在同士なのだと改めて認識させられる。
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