このレビューはネタバレを含みます
おもしろかった! エンディングの宮本さんの歌と佐内さんの写真のコラボ、そこだけでまたひとつの作品になっていて上がった。
暴力が描かれる映画は苦手なので、ちょっと構えて観ましたが、目をつむったのは一ヶ所で、そういうのが苦手な人もわりと大丈夫な映画だと思う。意外とマス向け。
アラタくんがかっこよくてめちゃくちゃ良かった。あちこちのネットのインタビューで、女性インタビュアーから「かっこよかったです」と言われて「ああいうのをカッコいいって言っちゃダメです」と異口同音のやり取りが繰り返されているのもむべなるかな。これ観てインタビューしたら第一声は「かっこよかったです!」になりますよね。笑
レイプ後の描写はリアリティがあると思いますが、実際にはできればなるべく早く、お風呂に入らず、着替えもしないか、するなら着ていたものをビニール袋に入れて持参して警察で証拠を残して、病院で身体の、専門機関で心の、それぞれプロのケアを受けられるといいですね。
ここのリンク途中から、相談窓口がまとめられています。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/topics/9/#p-topicsDetail__section--06
あのエピソードは、女性がホモソな男社会の犠牲になってしまって、本当にかわいそうでした。最悪。憎し。絶許。軽蔑。
結局男と男の対決で解決されたふうになっているけれど、逮捕されたわけでもなく、彼女の傷は一生残る。
宮本はすごく魅力的だけど、男性が描いた、男性のための物語だなあと思いました。
そして、同年代だと、あの熱さに影響を受けることもあると思うけれど、アラタくんの役ですら、可愛いな、と思う自分から見ると、これは映画と同年代の若い人が観て、感動したり影響されたりする、年代を選ぶ映画だなあとも。
ちゃんとおもしろかったけれど、心に響く、という感じではなかった。ぜんぜん好みでもない。なのにおもしろいので、むしろすごい映画でした。