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宮本から君へのkouのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.5
《いききっちゃうんだ》
原作がとても好きで、初めて読んだときは衝撃的だった。今でも自分の中で好きな漫画であり続けているし、パワーを持った作品だと思う。その凄い作品を映画化したのが、あの「デストラクション・ベイビーズ」の真利子哲也監督。まさに適任だろうと思った。しかも主役は池松壮亮。そして蒼井優。俳優陣はと最高の役者ばかり。これは傑作でないわけがないのだ。

凄い映画だった。エネルギーに溢れ、そして見ていて熱量が上がるのがわかる。宮本という男の生き様、それを見ているだけで涙が出てくる。笑えて来る。生きていこうと思う。原作のエネルギーを失うことなく、映画でも全力疾走している。そして、実写、映画だからこそ加わったのは、漫画の熱量、勢いが時としておかしくも映ることだ。劇場でも笑いが漏れていた。それはまさに世界そのものだ。シリアスであり、絶望的でどうしようもないのに笑えてしまう。

ある最悪な事態が起こったとき、どう再生していけばいいのか。その先に生きていく事は出来るのか。荒々しく、でも僕には今の時代だからこそ上映した意味があると思っている。僕が見た劇場でも満席に近かった。生きるということ。宮本の姿が焼き付く。
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