このレビューはネタバレを含みます
いい映画だった。
自閉症の少女が殺人事件の証人となる。
少女はいったい何を見て、何を聴いたの
か?
事件担当弁護士が自閉症少女との関わり
から見えた真実に法廷サスペンスの良さ
が光っている。
自ら自閉症なんだと分かっていて自分自身を
客観的に観察もできる少女が受けた差別や
いじめを乗り越え濁りのない純粋な心を忘れ
ない少女。
反対に出世を考え濁ってしまう担当弁護士の
心の葛藤に入りこんだのは少女の心とその凛
とした姿だった。
人を判断するのはむずかしい。
咄嗟の危機に手を差し出してくれるか、くれな
いかでなんとなく人間性を感じることができる
のは人間の嗅覚が働くからだ。
人間性は見かけや上手な交わしの言葉を言うこ
とができるから心有る人間だとは思わない。
人と人の付き合いはむずかしいものだ、が、
人に期待しなければもっと楽に人付き合いもで
きると思う。
人は人であって他人、他人なんだけど温かいぬ
くもりを与えてくれる他人に出会ったときに思
ったのは‥
『世の中捨てたもんじゃない』ってこと。
人は見かけや言葉だけではない。