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よこがおのkassyのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
3.7
試写会にて。

介護ヘルパーをしている主人公は、その家族ともとても仲良くしていた。しかしある日その家族の中の娘が行方不明になり…

深田晃司監督最新作。
主役に筒井真理子さんを据え、加害者と被害者ってもっと曖昧な関係なのではないか?という発想から人間の内面をえぐるようなサスペンスを作り出した。

主役の筒井真理子さんは、パートによって異なる姿を見せ、年齢不詳の魅力を放つ。歳下の男性を誘惑する姿はさながらイザベル・ユペールのようなフランス映画のエッセンスも感じさせる。

自分が全く意図していない方向へと自体が転げ落ちていき、悪い方へと向かっていく。彼女に落ち度はないが、しかしどうする事も出来ずにいるモヤモヤを的確な演出で人間の裏を静かに浮かび上がらせる。

彼女は声高に叫ばないが、彼女のやりきれない叫びを観る側は受け取るだろう。
誰もがもしかしたら被害者になり、加害者になるかもしれない。
ギリギリの琴線に触れるような人間を描いた作品。

深田晃司監督の物の考え方が非常に好きだと感じたトークショー付きの試写会。贅沢な時間でした。
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