hajime363

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のhajime363のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

色々詰まってて、思い返すほどに感想が溢れる。登場人物ごとにドラマが巧みに描かれており、キャラが生き生きしている、みたいな。とりあえず最高の映画だと思う。

◆ヒリー (Bryce Dallas Howard)
ママ友リーダーであり、レイシストの鑑であり、本作における悪役的な配置。
まず、この映画の面白味として挙げたいのは、人種差別という事象を“普遍的ないじめ”と並行して描くことで構造的な類似を提示していること。
ヒリーは子供に悪影響という理屈で黒人を区別する。同時に気に入らない女を仲間から排除する。
どちらも声の大きい人間が自身の正義に固執し、それを他者に強いることで大きな流れを生んでいる。
正直、日本から出たことが無い平成生まれの私にとって人種差別系のテーマはピンと来ない、「酷いことをする人間がいたもんだなぁ」くらいの感想。過去の事象。
でも、本作はそれをすごく普遍化してくれた。という点でもう大好き。
あと、個人的にフックしたのは、ラースフォントリアー監督の「マンダレイ」でグレース役もやっていたこと(本作とは真逆ですね笑)

◆スキーター(Emma Stone)
母の体調不良を理由に田舎に出戻りしたけど、成功への野心はあるし、地元の同年代をバカにしてる感じのそれ笑
Emma Stone力により嫌味が70%カットされている、と思う。
自身の育ての親であるメイドに対する疑問を抱えつつも、当初は都会の編集者に嬉々として語る“面白いネタ”でしかなかった人種差別問題が当事者の覚悟を前にして“使命”に変わるシーンは熱い。

◆エイビリーン(Viola Davis)
最初の一歩を踏み出したメイド。親子というテーマを体現している人物のような印象。
実子は非業の死を遂げている、一方で他人(白人)の子供には本当の母親のような態度で接する。その行為は、直接的な言及はないが代替というか、穴を埋める拠り所という見方も出来る。
とすると、暴露に参加するということは自身を生命の危険に曝すことはもちろん、疑似家族的な子供を失う(職を失う)ことに繋がる。
ラスト、職を失い帰路に付く、実子の夢を反芻しながら歩く足取りは力強く希望的。本作はキッカケでしかなく彼女の物語はより大きな時流のうねりを伴って続いていくことを予感させる。余韻が心地好いね。

◆ミニー(Octavia Spencer)
いい奴。Octavia Spencerがいるスナックに通いたい。

◆シーリア(Jessica Chastain)
ハブられてる女性。一見バカっぽいんだけど、不器用で正直すぎるだけという。いい奴。
ミニーとの“いい奴同士の友情”が美しい。互いの良いところに気付き合い、互いが良い方向に刺激を受ける。ここの関係性だけで120分観られるし映画として十分成り立つと思う笑

◆シャーロットフェラン(Allison Janney)
スキーターのお母さん。個人的に一番エモい。
また今度暇なとき追記する!
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