回想シーンでご飯3杯いける

劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイターの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.0
「ガンダム」シリーズの原作者、富野由悠季が、「∀ガンダム」以来15年ぶりに総監督を務めたTVシリーズの劇場版。その第一部。

「機動戦士ガンダム」制作当初にスタッフの悪戯心から命名された「ミノフスキー粒子」(トミノがスキそう→トミノスキーが語源)を筆頭に、富野ガンダムに共通する設定を引き継ぎ、エネルギー問題や、政治と宗教など、社会問題の風刺を多数持ち込んだ、正にガンダムらしいガンダム作品である。

人間の生命感が、生き生きと描かれているのも特徴。ガンダムのコックピットが便器になっていて、音消し用の音楽が流れるとか、こんなロボットアニメが過去にあっただろうか?わざと引っ掛かりのある言葉を挟み込む独特の台詞回しも現在で、何処を取っても富野節炸裂の、オリジナリティ溢れる世界観が最高だ。

ただ、これら秀逸な要素は既にTV版の時点で完成していたもので、TV版の1話から5話を90分にまとめた本作固有の魅力というのは特に見当たらない。というわけで、ちょっと評価に困ってしまう作品でもある。第二部以降は、TV版からの変更点が増えてくるので、劇場版としての真っ当な評価は次回作以降という事で。