本当に素晴らしい役者陣。
主演キャストはもちろん
入院患者1人1人が、名脇役たちを
集結させるという奇跡的な演出。
渋川清彦も、ここまでクソ野郎な役柄は
なかなか観ることができない。
また、小松菜奈に関しては
これまで正直魅力がイマイチ掴めなかったのだが、今回の役への入り込み方が
とても繊細に感じれてよかった。
だけれども...
ここまでのメンツが揃っているのに
なんか薄味になりがちな場面がチラホラ。
すごくいい素材を使っているのに
濃い味の部分と
薄味の部分があり
全体的に味がまばらのような気がした。
脚本の問題なのか
演出なのか
それとも監督の意図なのか
この役者陣で、この設定の
人間ドラマを描くのであれば
やはり瀬々監督が圧倒的な引き込み方。
独特なカメラワークもあるからか...
比べるものではないのだが
もう一味特色のあるカメラワークや
演出があれば引き込まれたのだが。
医師や看護師が善人として映っているようだが
ここまで開放的な病院なのに
病院側の理念や目的がまったく反映されていないが故に、疑問を感じてしまう。
そういった細かい配慮まで行うと
とんでもない時間がかかってしまうが故
映画は仕方ないのだが...
このキャストの演技を観れるだけでも
贅沢で、観る価値はあると思う。
だけど、なんだかなぁ...
というのが正直なところ。
