YasujiOshiba

貞子のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
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ネトフリ。『貞子3D』に続けてJホラー祭り。オープニングはいいよね。あの団地の感じ。ともさかりえ、目が怖い。脅す顔、優しい顔、怯える顔、恐怖に歪む顔、ぜんぶ説得力あり。

中田秀夫は『リング』のシリーズを立ち上げた人だけど、『3D』のように仮想空間の現実の間の幽霊話の作品が出てくると、させるもんかと古典的な怨念の世界へと引っ張り戻そうとする。それでもさすがに、あちらさんのニコニコ動画に対してユーチューバーが登場させるのは、まあ時代の流れなんだろうな。でも、中田さんはそこに恐怖を読み込もうとはしない。もっと古典的な怨念なんだよね。そして目指すのは怨念のイメージの映像化。その点ではエフェクトバシバシの『3D』よりは、ずっと映画的でしっくりくる。でも貞子のイメージだけは橋本愛の勝ち。あっとうてきな美しさ。こっちにはそれがない。

それにしても、つくづく思うけど、ホラーはやっぱりスクリームクイーンだよな。ここでは池田イライザちゃん。悪くないんだよね。ちゃんと最後まで見ることができたから。でもな、せっかく水に入るんだぜ。恐怖にはエロスが必要じゃんね。それがブーツでジャケット着たまま入るか。まったく、でもまあラストのあの顔の表情は頑張りましたね。頑張ったのはわかるけど、なんだかね。

ヒロインもそして、アブジェクションの表象も、どこかで過剰なエロスがなければ怖くない。つくずく見てきて、いちばんエロスを感じたのは橋本愛の瞳と唇。つぎが『らせん』の中谷美紀の変貌ぶり。『リング2』の深キョンもよかった。『リング0』の仲間由紀恵はまあまあだけど、麻生久美子が出ていたから許すとするか...

ふう、さてそろそろJホラー祭りはこのあたりで打ち止め。すでに届いているMario Bava のボックスに手をつけることにするかな。
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