ある家に双子の姉妹が生まれたが、姉の方は忌まわしい相貌を持っていた。時は流れ、キリスト教の牧師が謎の新興宗教の実態を調査していくうちに恐るべき“構図”が浮かび上がってくる。複数のジャンル的な快楽が感じられる錯綜した筋運びが心地よい。
宗教を題材にしたホラーとしても一級品だが、意外な犯行動機やツイストの効いた展開に心が揺さぶられた身としては、本作をミステリ映画の傑作として捉えたい。なんとなく『魍魎の匣』、『狂骨の夢』、『鉄鼠の檻』あたりの京極夏彦作品を楽しんで読んだ記憶が呼び起こされる映画だった。