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フォードvsフェラーリのtamagoのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
5.0
1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの戦いを描いた伝記ドラマ。
タイトルとあらすじからは、これぞハリウッドという王道のストーリーなんかなぁと勝手に想像してて、それほど期待せずに鑑賞したら、びっくり!
一筋縄では行かない波乱の展開でハラハラしっ放しで、下手なミステリーよりも楽しめました。
初めて作るレースチームで絶対王者に立ち向かうという不可能と思われるミッションを克服していく過程で、元ル・マン優勝者で持病のため引退を余儀なくされたキャロルと偏屈の天才ドライバー ケンの主人公二人の友情、ケンの夫婦愛、親子愛、家族愛、レースチーム仲間とのチームワークがてんこ盛りですが、それら全てが見事に観るものの心に迫ってきます。
キャロルとケンの友情の描き方がステレオタイプではなく、本当の優しさとか思いやりとかを感じさせてくれるリアルな描写とどれだけ大切なものがあっても、いつかは終わりが訪れるという切なさみたいな苦い現実を味合わせてくれる脚本が見事でした。

元はと言えば、フォードの二代目社長のエゴみたいなところから始まるミッションなのですが、大会社ならではの利害関係から味方に足を引っ張られたりで、サラリーマンとしては、身につまされる場面もあります。
社長もっとしっかり手綱握れよ〜と思わせられましたが、その当事者である社長の思いが爆発するシーンが圧巻で、胸がいっぱいになりました。

レースシーンの迫力とレースカーの美しさも堪能できて、音楽も各場面を盛り上げてくれて、これぞ映画!観て良かった〜
困難を克服する役では右に出るものいないマット・デイモンさん、癖のある役では右に出る者いないクリスチャン・ベールさんがはまり役過ぎですが、他のキャスト全ても素晴らしいアンサンブルで、みなさんありがとう〜と言いたいです!
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