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フォードvsフェラーリのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

いやーこれは素晴らしい!!

ル・マン耐久レースに挑む男たちの熱いドラマ!上層部の横やりにも負けずに速さと勝利に向ける情熱と互いへの信頼のドラマに興奮し、大画面で繰り広げられる命がけのハイスピードレース、唸るエンジン音に手汗握る素晴らしい作品!!レースの結末や彼らの行く末などビターなエンディングも(史実とは言え)なんとも言えない余韻が残る作品だ。

冒頭のシェルビーのレース、ここですでに光るシェルビーの勝利への熱意、そしてレースの結末…
彼はレーサーとして引退を余儀なくされる…
かーエンジニアとして生活していた彼の元にフォード社のリーが接触してくる。
そして、そのレース会場に居たのはもう一人の主人公、マイルズだ。
その手前の描写であるように、彼は整備工場に来た客にダメ出しをしたり、レースのスタッフに悪態をついたり、シェルビーにレンチを投げたりと傍若無人というなんというか…それでも息子想いだったり、車にかける情熱だったりと魅力的な男を演じるクリスチャンベールもまた好演だ。

フェラーリ社にバカにされたフォード社はル・マン耐久レースでの勝利を目指していた。
そこでシェルビーに依頼が来て、彼はル・マンに出場出来る車の製作とドライバーを探すことになる…
シェルビーは決していわゆる破天荒みたいな突出した人物とかではないし、マイルズと比べても普通の人だろう。車への勝利への情熱、上層部からの横やりへの複雑な表情など表情や目が語る想いが滲み出る演技のマットデイモンが素晴らしい。
マイルズの方は自身の整備工場が差し押さえられ、レーサーとしての生き方を諦めようとしていた…
シェルビーはマイルズをダイナーに誘い、話をするものの笑われて終わる。
しかし、もう一度誘う。今度は制作した車に乗ってもらって…改善点はまだまだ多いもののシェルビーの想いが本気なのを知る。やはり車に命を懸けるもの同士、車で絆が生まれるのが素晴らしい。
遅くに帰ってきた夫が何も言わないことに腹を立ててスピードアップしたり、夫を愛し支えると共に彼の背中を押す奥さまがとても良いキャラでございました。





以下、後半に向けてネタバレ注意



車の制作を通して、お互いに信頼関係を築き上げそうな二人だったが、スーツ組の横やりでマイルズはレースに参加させてもらえず…その結果レースは大惨敗。
シェルビーは再びマイルズの力を借りるために彼の家に赴くのだが、そこで始まる取っ組み合いのケンカ!殴りあって友情を築いていくなんてまさしく!男の友情!みたいな感じでgood!(それを椅子を持ってきて見るマイルズの奥さまも良い)
再び手を組んでル・マンに挑む二人。横やりを入れてきそうな副社長?を閉じ込め社長に直接交渉する強かな展開や自らの会社を賭けにマイルズを使うように説得するなどシェルビーのレースに、マイルズに懸ける想いが伝わり、レースでしっかり結果を残すマイルズも素晴らしい!

ル・マン耐久レースが始まってからは、ドキドキが止まらない。スタートからドアが閉まらないハプニング。そこで締めるために金づちでドアを閉めるわけだが、そこでちらつくのは炎上した車内から出てきたマイルズを巡る息子と整備士の会話シーンだ。他にも息子からの電話でのブレーキへの言及、休んでという妻からの言葉、クラッシュする他の車、熱を持って赤く染まるホイール…ここに至るまでに散りばめられたレースの危険性、マシンやレーサーの綱渡りのようなヒリヒリの頂点をこのハイスピードかつ轟音が鳴り響くレースシーンで結実させることで緊張感と興奮を煽ってくれるのでもう画面に夢中だった。
終盤、フェラーリに追い付くためさらに回転数を上げるように指示するシェルビーとそれに答えるマイルズ。勝利のため、お互いに想いを託しあっているような彼らの姿と勝利の瞬間はたまらなかった。
そしてまたもや登場してくるのがスーツ組の横やりだ。3台同時ゴール、それにシェルビーは反発し、マイルズには自分らしく走るように言う。スピードを上げレコード記録を出すマイルズにヤキモキするスーツ組。シェルビーに言うものの、レースが終わるまでは彼の車だと言うシェルビー。そして…マイルズはスピードを落とした。
ただ、そこにはとんでもない裏があり…マイルズは2位という扱いになってしまった。憤るシェルビーだったが、マイルズはその肩を抱きまた新たな車の製作に向けた話をする二人の後ろ姿が非常にステキだ。
そして、新たな車のテスト走行。そこでマイルズは…


ほろ苦いラストが静かな余韻を残してくれる…


車に、レースに、速さに、勝利に向けて挑戦を続ける男たちの熱い戦いと友情のドラマと劇場だからこそ楽しめるど迫力のスピードレースとエンジン音を満喫することが出来る素晴らしい作品だ!
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