終始しょうもない人間達が、何となく展開の分かる物語を進めていく。
何か特筆するほど凄い場面がある訳では無いけれど、一貫性のある空気感とウィットな演技と情けなさで笑わせてくる瞬間瞬間によってなんだか最後まで見られちゃう感じ、とても好き。
いわゆる「映画を撮る映画」に分類できるかもしれないが、作中の売れない役者4人組は1人を除いてやる気ゼロ。脚本を書く気すらなく色恋沙汰で頭が真っピンクである。全員情けないというのが、愛嬌があり、感覚として今泉力哉作品の味わいがある。
冒頭の舞台挨拶の言葉「カメラで撮られていることも気づいていないリアルな演技、低予算でも面白い映画を作れる」が大体を要約している映画で、なんか推し量れてしまうけど、このウェルメイドさはあながちバカに出来ないなとも思わせる作品だった。
かなり好き。