ギズモバイル

ゴーストランドの惨劇のギズモバイルのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

≪ざっくり評価≫
最高傑作ホラー。ネタバレ厳禁。
**********
総合評価 (/7) ☆ 4.6
シナリオ 5
総合演出 5
独創性 4
完成度 5
心理効果 5
相性(*2) 4
**********
【ネタバレ】
ホラー小説家に憧れる妹が主人公。母&娘二人が田舎の空家に引越した直後に暴漢二人に押し入られる。母親が無事撃退するも、姉は発狂。その後家に二人を残して小説家として成功した妹の元に姉から助けを乞う電話が有り、妹帰省。全身怪我だらけの姉とは噛み合わないが、母親とは平穏な時間を過ごす。次第に不自然な現象が起こり、実は今の生活は空想癖のある妹自身の一瞬の想像の産物であって、現実は暴漢に押し入られ母親は殺され、自身は姉と一緒に監禁状態だった…自分が書いたと思っていたベストホラー小説は、リアルタイムな出来事だったのだ!その後、妄想と現実の狭間で姉と共に脱出を試みる。

≪突っ込んだ感想≫
エグい作品を作る監督なので、肝試しのつもりで行ったら最高のホラー作品に出会えた。まあ正直ホラー作品全般そこまで好きじゃないってのもあるんだけど、これだけ心に響くホラーは初めて。なんていうかホラーのくせに映画として凄く美しい。シナリオ構成が多重的なのだけど、普通ホラーではここまで凝ったシナリオにはしない。ミステリーとしてはそこまで奇抜な構成では無いのだけど、ホラー故に騙される。即ち、基本ホラーなら超常現象含めて何でも有りだし、今更違和感を感じることもないので論理性が通用しないので。この作品は、まずその点で鑑賞者の先入観が働くのだが、ホラー演出が優秀なのでそれでも充分楽しめる。しかし、実際はミステリー作品としても優秀な論理性の高いプロットが浮上し、中盤で差し替えられるので、なんかもうその時点で魅力2倍。これは最高レベルのネタバレ厳禁映画だと思う。

ヒロインが超絶美形で、それ故にその顔がボコボコに腫れ上がっていく様はある種の芸術。ホラー演出はふんだんに散りばめられていて、一見使い古されたパーツだらけだが、この監督は本当に心理効果を極めているな~と思う。なんていうか他のホラーと質が違って、怖さに気品がある。妄想世界での死んでるはずの母親との会話とか、ヒロインの小説が絶賛されるとこなんか本当にホラーだ。胸を締め付けられるような恐怖感がある。そして…それでいて(一応?)ハッピーエンドの体なのが素晴らしい。