いずみたつや

DUNE/デューン 砂の惑星のいずみたつやのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
2.5
世界観の見せ方が説明的すぎて、それ故に冗長で退屈な場面が多い。膨大な物語の1作目なので説明が多くなるのは仕方ないかもしれませんが、それでもテンポが悪すぎます。

ハンス・ジマーの音楽が主張しすぎていてかなりノイズになっているのも問題です。もしもヨハン・ヨハンソンが生きていたなら映画の印象もずっと良くなっていたかもしれません。

一見詩情豊かで美しい描写のどれもが想像し得ない遠未来には見えないのも残念です。茫漠な砂漠の風景には圧倒されますが、そこに未来感を見ることはできません。

そもそも今作にリンチ版のようなものを期待するのはお門違いだろうし、ドゥニ・ヴィルヌーヴの起用の時点でそれは分かりきっていたこと。しかし、やっぱり何かしらの視覚的ショックが欲しいと思ってしまうのはSF映画を観る上では当然のことではないでしょうか。

2時間30分の長尺でありながら、見せ場と言えばトンボ機と黒い温泉に浸かるハルコネンぐらいなもので、もっとシールド戦をしっかり見せて欲しかったし、サンドワームにはもっと生き物感が欲しかった。

でももちろん続編が大傑作になる可能性だってあるだろうし、まずは無事完結まで観れることを願って待ちたいと思います。