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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいのkonakaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

社会の最小単位としての家族からは否応なしに排除されてしまうのに、学校や施設といった別の社会には無理やり所属させられている子どもを、システム・クラッシャーと呼称することはなんてナンセンスなんだろうと思う。

一方で、これら大小それぞれの社会を内包するこの世界というシステムからは、生きている以上私たちの誰一人として抜け出すことができない点を考えれば、大人も子どももそうやって異分子を排除することでシステムを維持し、社会を守っていかなければいけないのは、ある程度必然のことなのかもとも思う。

そのどちらの辛さも、わかったところで結局はどうしようもないのだけれど、それが束の間にせよ和らぐ瞬間が、他者との触れ合いの中に時折垣間見える。

映画なのだから、最後は死という形で簡単に救ってしまうこともできたはず。そうしなかったところに、この作品をたしかに現実と地続きのものとして位置付けようとする制作者の気概を感じた。
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