Keiseihhh

イエスタデイのKeiseihhhのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.8
成功作。恋愛映画においてはダニー・ボイルは「普通じゃない」で見事に失敗しているが、この作品は脚本のリチャード・カーティスに惚れ込んで、彼をリスペクトしつつ作っただけあって丁寧で一般受けする要素に満ちている。退院した主人公が幼馴染みと友人の前で、ビートルズの「イエスタデイ」を披露して驚かれ戸惑われるシーン一つ取っても、この映画がエンターテイメントとして鑑賞者を引き込むテイストを持ち合わせていることを表している。映像的にはダニー・ボイルの実験性とチャレンジスピリッツが随所に見られ、カーティスの安定したラブストーリーと見事に融合している。ただラスト近辺の驚くべきアイデアは転調としては良いが観る人によっては「ん?」と思うかもしれない。主演のヒメーシュ・バデルは冴えないミュージシャンとしてハマり役。劇中「あなたの言うことは時につまらないから」と言われるのも納得の行く抜擢。ただコールドプレイの「フィックス・ユー」をコールドプレイのVOクリス・マーティンにオファーを断られたからと言って貶すシーンがあるのは若干いただけない印象も。本人役で出演しているエド・シーランにとっては本作に出演することでウィン・ウィンの関係になっている。ラブロマンスとしても肝を抑えるシーンが満載の良作。
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