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トールキン 旅のはじまりのsundayのレビュー・感想・評価

トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)
3.5
「指輪物語」の作者トールキンの伝記映画ということで興味を持ちみてみた。「ホビットの冒険」「指輪物語」の映画はどちらも見てその物語世界に魅了されていた。しかし作者についてはまったく知らず、最初ドイツ人かな?などと勝手に思っていた。映画は緑豊かな田園、森の中で遊ぶトールキン少年が家を見下ろすと、その白壁と茶色いとんがり屋根の家に牧師が訪ねくるところから始まる。この場面が美しい。それこそ指輪物語のフロドの村のようなのだ。

映画を見ると、トールキンは人に恵まれたんだなあ、と感じる。
父は4才の時死に、母も12歳で亡くなってしまうが、その短い母との生活で母が読んでくれた物語、母は亡くなっても弟がいる。また後ろ盾の牧師、寄宿した老夫人、その家にいた少女、そして学校の4人の仲間。この「T.C.B.S.」と名付けた仲間こそが「指輪物語」の「旅の仲間」であったのだ。

とこういう事が分かった。しかしちょっと検索してみると映画とは結婚相手との知りあい方とかちょっとちがうのかな?という感じもして、本当のとこはどうなのか本を読んでみようかと思う。
(「トールキンある伝記」という本を読んでみたら、やはり同じ下宿の寄宿人として出会っていた。)

トールキン役はニコラス・ホルト。少年時代の4人組みと並ぶと首ひとつ上であとの3人が小さい人なのかと思ったら190cmとあった。一番の親友スミス役のアンソニー・ボイル。どこかで見たことがあると思ったらこの春BSでやってたクリスティのドラマ「無実はさいなむ」で養子ジャックをやってた人だった。またなんとニコラス・ホルトは「サリンジャー ライ麦畑の反逆児」でサリンジャーを演じていたのだ。おまけに「アバウト・ア・ボーイ」の少年役。検索してみるまで気づかなかった! 

トールキンは1892年生まれ。12歳で孤児になってしまうがやはり当時は寿命が短く、けっこう若くして亡くなる人がいて当然孤児も多かったのかなと思う。第一次世界大戦勃発時22才。映画でも戦争の影響は大きく描かれていたが、アガサ・クリスティも1890年生まれで同世代だ。彼女も戦争の影響を受けている。その時代に居合わせれば否応なく当面する。

2019アメリカ
2019.10.28劇場で
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