フェイスノーモア

トールキン 旅のはじまりのフェイスノーモアのレビュー・感想・評価

トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)
4.0
ニコラス・ホルト主演、The Lord of the Ringsの著者であるJ.R.Rトールキンの半生を描くドラマ。

両親を亡くしたトールキン兄弟は、身元引受人の元に引き取られ名門学校へ通うこととなる。
名家の子息が集まる学校内では、親を亡くしお金もない孤児のトールキンの立場はなく入学直後こそ心を閉ざして自分の中に閉じ籠もるが、友人に恵まれたトールキンは次第に自分の中に生きる目的を見つけ、人を愛する喜びを知る。

ファンタジーの祖であるJ.R.R.トールキンが、20世紀文学の金字塔であるThe Lord of the Ringsを創り上げるまで至る彼自身の成長と道程を非常に情緒豊かに観せてくれます。

The Lord of the Ringsは確かにファンタジー小説ではあるのですが、この映画のおかげであの物語そのものがトールキンの人生の歩みに沿っていることがよく理解できました。
フロドはサムや仲間に支えられ、トールキンのように友を失失うことなく長い旅を終えることができましたが、最後にはその仲間とも別れてエルフの国へ旅立ちます。
敬愛する主人であり親友でもあったフロドを最後まで身を挺して支えた、不器用だけれども忠実なサムはトールキン自身を反映していたのでしょうか?
ホビットの村で過酷な冒険を終えたサムを待っていたのはエディスだったのしょうか?
なんて事をつい考えてしまいました。