たつなみ

ブルータル・ジャスティスのたつなみのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.5
実にS•クレイグ•ザラーらしい、マッタリ、コッテリ系バイオレンス作品。
メルギブが出てるからといって油断は禁物。
超面白いけど思わずドン引きする程の残酷描写に「うわっ!」ってなる。

しかしこの監督ってホントに語り口が丁寧だなぁと思う。
登場人物一人一人の背景がじっくりしっかり語られる。
(だからめっちゃ上映時間が長い)
たとえ残忍な悪党どもでも、防弾車を買うためにコツコツと強盗を続けてるとこまで描かれる。
やたらと確率にこだわるメルギブと、マズいコトがあると「アンチョビ!」って言うヴィンス・ヴォーンの奇妙なやり取りにホンワカしたのも束の間、唐突に残酷な暴力シーンが始まって呆然とさせられる。
特になかなか子離れが出来ないケリーが銀行に出勤してからのシーンは口ポカーンとなった。

当たり前の日常の中には全てを奪い去ってしまう程の暴力が潜んでいる。
これはいつもこの監督が描くテーマだけど、本作は特にその色が強い。

あと黒人差別や格差社会についても少し触れている所も面白い。
BLMとかいう極左集団がいるけど、黒人だろうと暴行や略奪を繰り返す輩は厳しく取り扱うべきだ。
どんなに悪人でも黒人というだけで擁護されるなんて間違ってる。
結局金が無ければ平和を手にすることは出来ないってことなのかな。

『デンジャラスプリズン』、『トマホーク』、そして本作とザラー作品はここまで立て続けに期待を裏切らない。
次の作品こそは是非映画館で観たい!