つらいし楽しくないから正体がなくなるまで友達とお酒を飲む父、平日夜に夫を介抱するだけでなく休みの日まで夫と友人達の世話をさせられ何かの宗教を拠り所にする母、うるさくて眠れず遊びに行く約束も反故にされる子ども、成長した長女は叩かれても男からなかなか離れない、いけない依存がいっぱいで・・
本来なら暗く深刻な話ですが、お酒を飲んで化け物になる父と家庭が崩れていく様子を、長女サキが描く漫画のように悲しいけど滑稽な、泣き笑いできる作品になっています。監督は原作漫画の雰囲気を大切にしたとのことで、それに応えるように父親役の渋川清彦さん、長女役の松本穂香さんが素晴らしいです。
同じ屋根の下で毎日暮らして顔をつきあわせているのに互いの辛さをわかり合えない。本当の気持ちに気づくまで時間がかかることもあるし、気づいたときには遅いこともあるし、よく分からないまま終わることもあります。我慢も大事ですが、壊れるまで我慢して素直に言えないもどかしさ、程度の差はあれ、どの家庭にもありそうだから考えさせられます。
家族ほど大事なことを話さない。
子どものころ、遠くに見つけた親の姿に向かって精一杯の力で駆け寄り、抱きしめられたときの嬉しい記憶・・だからよけいにつらいのです。
（メモ）
コアラのマーチ、二階からサンタ、魚の食べ方は受け継がれる、今泉さんは妹役が似合う
ふきだし、そんなにいけない？
