Shin

ラストナイト・イン・ソーホーのShinのレビュー・感想・評価

4.6
主演のアニャ・テイラー=ジョイは何かで見たなと思っていたら、カルト的ホラー映画『ウィッチ』の主人公の女優やん。そして、監督がエドガー・ライトとくれば、観ない訳にはいかない。

冒頭で「ダイアナに捧ぐ」とメッセージがあったので、ダイアナ妃に向けたものなのかなと思っていたら、出演者で昨年亡くなったダイアナ・リグに対してのものだったのですね・・

トーマシン・マッケンジーが演じるエロイーズがなぜサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)とシンクロしたかは置いておくとして。

オープニングとラストで暗い通路のような場所で明かりをバックに踊るシーンもシンクロしている。これからの新たな人生を二人が進んでいくようで象徴的なシーンである。

ポスタービジュアルには青と赤が強調されていて、エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)が間借りしていた部屋も、青と赤のネオンの点滅にイヤという程照らされる。異世界へのスイッチのようにも感じられ、昔の3Dメガネを思い出してしまったよ😌

60年代のソーホーはきらびやかで活気に溢れている。たいてい人はすぐに古き良き時代を回顧しがちだが、映画『ミッドナイト・イン・パリ』で描写されていたように、それぞれの年代が昔を美化する様はいつの時代も同じだ。しかし、本作では60年代の闇もしっかり描かれている。

エロイーズも次第に闇に取り込まれていくのだが、あのおっさんたちのしつこさときたら、ハンパではない。マット・スミスもあの顔だからキャスティングされたのではと想像してしまう。

スティーヴン・プライスの音楽も素晴らしいし、オードリー・ヘプバーンを思わせるトーマシン・マッケンジーの演技や、ホラーが似合うアニャ・テイラー=ジョイの演技も良かった。ただこれは反則ではと思わせる脚本については少し納得がいかない部分も。

とは言えホラーとミステリーと二人の夢見る二人の女性の物語を絶妙に組み合わせた、エドガー・ライト監督の手腕は見事としか言いようがない。









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