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クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ファミリー・ギャグアニメ『クレヨンしんちゃん』の、劇場版第4作。

新しく出来た遊園地「ヘンダーランド」を舞台に、地球征服を企むオカマ魔女達に野原一家が立ち向かう。

脚本は原恵一。

本作の舞台は群馬県桐生市に新しく出来た「ヘンダーランド」という遊園地。
この遊園地の雰囲気がどこか奇妙で、子供の頃は怖かった記憶がある。
特にス・ノーマンというキャラクターの造詣は見事👏
雪だるまという惚けた見た目のキャラクターを使って、ここまでホラー風な演出に成功しているのは凄い。

『クレしん』らしさ全開のエキセントリックな笑いは切れ味抜群!
謎の雛形あきこ押しは、むしろ現在の方がギャグとして面白くなっているのでは?
クライマックスでのオカマ魔女との対決での、緩急をつけた笑いのセンスは素晴らしい!

アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんという『クレしん界』の御三家が活躍するのも嬉しい!

ファンタジーな世界観が強い本作だが、実は日常描写が非常に細やかで、そこがスパイスになり映画全体の完成度をグッと上げていると思う。
日常ギャグもキレキレで、特に遠足バス内の雰囲気とか素晴らしい。

本作のヒロインであるトッペマは健気で明るい良いキャラクター。
オカマ魔女の幹部チョキリーヌとの空中戦は何気に凄いレベルの作画で驚いた。
そして彼女の退場場面には涙腺が緩んだ。直後のひろしの一言も良い。

ギャグアニメでありながら、1人の少年の成長譚としてもすごく良く出来ていて、20数年ぶりにみたが、むしろ当時より面白く観れた気がする。

それだけにクライマックスの、余韻のない急速に終わる感じはちょっと残念。
オカマ魔女も「え、あれで終わり?」って感じだったしオチも弱い。

オチさえしっかりしていれば『オトナ帝国』と比べても遜色のない作品だと思うのだが…。
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