ふっくー

ミッドサマーのふっくーのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.5

「ヘレディタリー-継承-」パンフレットにて、アリアスター監督が語っていた言葉を取り上げます。

監督は次のようにホラー映画を定義している「ホラー映画には二通りの作品がある。一つはまるでジェットコースターのように次から次へと登場人物に恐怖が襲いかかってくる作品。観客は映画を楽しんで、家に帰れば忘れてしまう。もう一つは、より本質的な恐怖を観客に与え、深刻なレベルで観客の人生にも影響を及ぼそうとしている作品。自分が観たいと思うのも、そして作りたいと思うのも後者だ!」(THE VERGE,Jun 7,2018)

今作は監督が語る2種類のホラー映画の中で間違いなく後者の作品であり、もちろん万人受けする作品ではないことは明らかである。
そのため、「今話題になっているから」「なんか面白そうだから」といった気軽な気持ちで見に行くと完全にやられる。
監督は今作をホラーではなくラヴストーリーと言っていますが、こんなラヴストーリー辛すぎます笑。サイコパス宗教エグストーリーサスペンスって感じ。

通常盤のR-15指定
ディレクターズ・カット版のR-18指定
というのはショッキングなグロテスクシーン、エロスの表現が過激だからという理由でR指定が設定されているのはもちろんだが、それ以上に本編内容が今後の生活や、個人的な気持ちの持ち様に影響を及ぼしかねないダークな物語であることが最大の理由ということも頭に入れた上で、それでも見たいという人にオススメしたい。笑

上記を踏まえて本当に本当に、観たいと思った人、普通のサイコ映画に飽きてしまった人、是非今作を楽しんでください。。。。



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世のホラー好きを唸らせ、好奇心で観に行ってしまった人たちを不快と頭の中を「???」にし、恐怖のどん底に突き落とした衝撃作「ヘレディタリー」を世に送り出した新星アリ・アスター監督の衝撃の最新作。
この衝撃作を公開初日の一番最前列で見てきました(終わった後首めっちゃ痛かった笑)

90年に1度開かれるスウェーデンの祝祭に招待された大学生達が奇妙な儀式、風習の波に飲み込まれ衝撃的な結末を迎える。
これは、、、、やばい、やばすぎる。
今年まだ始まったばかりだけど、間違いなく2020年公開のホラー映画で個人的に最恐最悪凶悪映画で間違いない。
「ヘレディタリー継承」がとにかく暗く、暗黒映画だったのに対して、今作「ミッドサマー」はとにかく明るい。それなのに先の見えない暗黒が明るい雰囲気に入り混じってる。
明るい雰囲気、人々がテーブルを並べて笑顔で食事をし、花を身に纏って踊る。そんな雰囲気がとにかく怖い。そして物語割と序盤で行われる「ある風習」を気に、凶悪さを倍増し、ラストのエンディングで、もはや笑ってしまうだろう。
最後の最後にある人物が魅せる不敵な微笑みは全てに見放された悲しみからの解放なんですかね。

「ヘレディタリー継承」を見て虜になった人、アリ・アスター監督の作品のなんとも言えない怖いのに美しい映像美。これが好きで見に来ている人は大満足の作品ではなかろうか笑。

内容は話すとネタバレになってしまうから言えないけども、画面外で起きてる色々な問題や、意味不明な行動を説明なしでそのまま放置し、そして不気味なBGMを組み込む凶悪さと、そんな何回も見せなくてもいい処刑シーンをフラッシュバックで何度も見せられる不快感。
頭の内側にこびりつくような気持ち悪い内容と、1度観たら、なかなか忘れることの出来ない衝撃的な物語は到底人にお勧めはできない。
明るすぎるフェスティバルなのに恐怖、凶悪、不快、残虐、不気味、気持ち悪さを存分に感じられるホラー映画なんて、、、、、久々の凶悪さ笑。

ダニーがメイクイーンに選ばれて、板の上に立ち、ホルガの人々から祝福を受けるシーン。その背景に映る画面左側の森林に注目してください。
その森林が口にチューブをつけられ殺された妹の顔になっています。

こりゃあ今まで見た映画で個人的に「人にオススメしてはいけない映画」のラインナップに文句なしのランクインです。おめでとうアリ・アスター笑。
ふっくー

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