どうかしてる。
アリ・アスター監督。
もはや教祖。
アリ・アスター教。
人は弱ってしまうと、信仰を持ったり、共感してくれる人を得たくなるのだろう。
前作「ヘレディタリー」でのモチーフでもあった「喪失」と「癒し」と「信仰」を、本作でもまた違った切り口で扱っており、独特の世界観で表現していた。
その文化を正しいものと信じている人々の思想や行為や倫理観は、別の文化を持つ異国の人間には狂気に映ることがある。
誤解を恐れずに言ってしまうと、たとえ極端な文化であったとしても、決して間違ってはいないのに。
それを否定することはできないし、もしも文化や信仰や価値観を無理矢理に押しつけたなら、きっと戦争になる。
国と国でも。
人と人でも。
正しさ、とは一体なんだろう、と考えてしまう。
ただ、るるぶやことりっぷなどの旅行雑誌で、どれほど魅力的に紹介されていたとしても、スウェーデンのホルガ村にだけは絶対に行きたくないです。
特に、白夜の90年に一度の、夏至祭の時期には。
ホルガ村の文化のあれこれを否定はしないけれど、完全に理解した上で生贄になるのと、わけもわからず生贄になるのとは違うもの。
本作は、かなり期待していたもので公開初日に観たのだけれど、個人的な好みとしては、クライマックスでの畳み掛けが笑ってしまうほどに狂っていて素晴らしかった「ヘレディタリー」に軍配が上がった。
それでも「明るく彩り豊かな世界での不穏と恐怖」というのは発明だし、独創的。
ホルガ村でのアートディレクションの数々、そしてライアン・マッギンレーの写真を彷彿とさせるルックも素晴らしかった。
(とはいえゴア描写が苦手な方はご注意を…あと、低評価の人がたくさんいるのも全然理解できる)
私はひとりで観たのだけれど、上映後の明るくなった映画館のあちこちで笑いながらの会話があって、わかる、と笑ってしまった。
まるでコントのような、あまりのあれこれにきっと笑ってしまうのだろう。
草、とか。
四コマ漫画みたいなラブストーリー、とか。
え、オースティン・パワーズ観るの?とか。
失敗したからって落胆のブーイングの中、杵でドス、とか。
パイの隠し味、とか。
おしっこめっちゃ怒られる、とか。
完全にフラグの立っていたウィル・ポールターの最後の言葉、とか。
一人で先に帰っちゃったよ、とか絶対嘘なのに、苦し紛れの下手くそな言い訳をする、とか。
喘ぎ声にみんなで共鳴、とか。
体格が良いものだからダンスで無双、とか。
熊、とか。
やっぱり熱いんかーい、とか。
(90年に一度の祝祭ってわりにはみんな儀式に手馴れてるの謎、とか)
そんな本作は、フェスのような野外の映画祭で、会場をホルガ村のように飾り付けて、みんなで衣装を着て花飾りをして、パイとお茶を頂きながら観たら楽しそう。
もしもSwitchとかプレステでオープンワールド系のゲームにしてくれたらプレイしたいな。
とにかく、アリ・アスター監督のファンなので、次回作もまた楽しみにしています。
スコール!
(人生のミッドサマーである主人公のダニーを演じたフローレンス・ピューの「No No No No No No No」の発音、村人たちが拍手の代わりに両手をひらひらさせるの好きだった)
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