もちお

82年生まれ、キム・ジヨンのもちおのネタバレレビュー・内容・結末

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。
 字幕版です。
 原作未読です。

 しんどくなる場面が多かったです(誉めています)。
 一方、合わないところもありました。

①良かったところ
・追い込まれていくジヨン
 しんどかったです。
 観ていて、気持ちが悪くなりました(誉めています)。
 夫の実家での場面が特にきつかったです。
 ベンチでコーヒーを飲んでいたら、悪口を言われる場面も嫌でした。
 
・ジヨンのかつての上司
 素敵な人ですが、この方の悩みが描かれるところも良かったです。
 会議の場面が嫌でした(誉めています)。
 より強烈に問題の深刻さを感じました。
 「人にはそれぞれ事情がある」という意味でも、印象に残りました。

②気になったところ
・ジヨンが義母に電話で「再就職と夫の育児休暇」を伝える展開
 不自然に感じました。
 それまでの義母の場面から考えて、「猛反発をされる」と容易に想像ができると思います。
 そのため、あっさり伝えるジヨンにモヤモヤしました。
 そんなに能天気な人なのかなと。
 波風を起こすための不自然な展開に感じました。

・夫に事前に話さずに再就職先を決める展開
 少し気になりました。
 パン屋で働くことに夫が反発する場面があったので、「事前に相談した方が良いのでは」と思いました。
 ケーキを準備して、お祝いムードを出していましたが、そんなにシンプルな話なのかなと。
 実際、その後に揉めるわけで。

・夫がジヨンに動画を見せるタイミング
 「早く見せればいいのに。」と思いました。
 見せたら、あっさりジヨンは治療を受け始めるわけですし。
 夫が気を遣っていたのはわかりますが、映画を長くするために先延ばしにしたようにも感じました。

・漢方薬の件で怒る母
 あの時点で父親はジヨンの体調不良を知っていたのでしょうか。
 知っていて息子を優先したのであれば、お母さんの怒りもわかります。
 ただ、「ジヨンの様子を見て帰宅した妻に元気がない」程度の認識だったのであれば、そんなに怒らなくてもと思いました。
 とはいえ、積み重ねがあっての怒りなので、わからなくはないですが。

・あんパンとクリームパン
 父のジヨンへの無関心を示すにしても、やり過ぎに感じました。
 この場面の前に、ジヨンへの漢方薬の件でお父さんが電話をするシーンがありました。
 それなのに、またジヨンへの無関心を示すのは、ごちゃごちゃしている印象です。
 その後の「弟と万年筆の件」を強調するためだとは思いますが……

・喫茶店で怒るジヨン
 本作で一番モヤモヤしたポイントです。
 あんな聞こえるように言ってくる人たちなんて、話にならない危ない集団だと思います。
 それに面と向かって発言するのは、危険ではと。
 一歩踏み出したのはわかりますが、どうなのかなと。
 無関心や無視も良くないとは思いますが、「頑張ったね、ジヨンさん。」とは思えなかったです。
 その他にも、この場面で気になるところがありました。
 コーヒーを溢しても、店員さんが全く対応しないのは不自然に感じました。
 商品を受け取った直後に溢したのに……
 たまたま冷たいお店だったのかもしれませんが。
 また、それまで基本的に大人しかった娘が急にぐずり始めるのも、少し気になりました。

③まとめ
 合わないところが多かったですが、心に残るものもありました。
 観て良かったです🙇
もちお

もちお