ChikaKoda

82年生まれ、キム・ジヨンのChikaKodaのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
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■キムジヨンは、私たち全員のこと
■ジェンダーギャップなんかないように見えたって、女性だけじゃないぞ男性だって大変さを抱えているんだぞって言ったって、(これは、Black lives matterに対してAll lives matterというのと同じ感覚かも)こうやって映画を観て涙が出てしまうのは、共感してしまう状況があるということなんだよね
■2020年の世界のジェンダーギャップランキングで153カ国中、韓国は108位、日本は121位 日本人はこれをちゃんと感じてる?この映画みたいな映画がちゃんと作られてる?この映画を北欧の人たちが観たらどう感じる?
■当たり前のように、結婚したら女性は男性の苗字になり家に入り子育てが仕事になり、男性は家族を経済的に養うために立ち止まることも出来ずに勤め続けて子育て家事は「手伝うもの」で、それで良いとみんな信じて疑わなかった時代(これならこれで、きっと窮屈な思いはあったけど楽だったかもしれないと思う)、ではなくなり、女性も家庭以外で自分の能力を社会に還元して自己実現を果たす場所を得て当然だ(し、少子化で人口が減っていくのだから女性も働かなくては)と、男性が家計を支え大黒柱でなくてはならないなんてことはないんだと、みんながもっと色んな選択肢を持っていいんだと、気づき始めて、だからこそ女性も男性もいま、難しい狭間にいる。社会や制度が追いついていなかったり、無意識の思い込みや差別がまだまだ根強くあったりする。だから、残念ながらそういう歪みがこうやってキム・ジヨンに現れたりするのが現在。だけど、もう「それで良かった時代」には戻れないから、狭間の私たち1人1人が、めんどくさくても消耗しても、いちいち違和感と向き合って、思い込みや今までの当たり前を取っ払ってフラットに考え、対話して、変化に、前例に、なっていかないと。そうしてそれがいつか当たり前に。