SAtone52484

フェアウェルのSAtone52484のレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.2
ナイナイ(おばあちゃん)が愛おしい。身体の中の悪い空気を「ハッ!」(手のひらを開き、腕を前に突き出すジェスチャー付き)とすれば、健康長寿が叶うかも?笑



6歳の頃に、両親と共に中国からアメリカに渡り、アメリカで育ったビリー。
大好きな祖母・ナイナイがステージ4の癌と診断されたにもかかわらず、親戚一同それをナイナイには伝えない…ということに葛藤するビリーが描かれます。

診断結果の告知を本人に「する」「しない」問題は、中国だけでなく日本にも置き換えられるような気がします。(作中ほどでなくとも、日本でも年老いた親に告知しない、というパターン、あるよな…と)
西洋・東洋と括るのはあまり好きではないけれど、命を「個」のものとするか、「家(や社会)」の一部とするか、という考え方の違いはやはりありますね。

ビリーの両親(や、伯父)はどちらもの考えがわかる、けれどその次の世代はやはり、ナイナイに伝えず、やり過ごすことにもどかしさを感じます。
この作品の素晴らしいところは、それを感情的にぶちまけて、突っ走る!的な人がいないところです。
それも目上の人を敬う、儒教的な考えが反映されているからなのかなぁ…

個人的にツボったのは、従兄弟の結婚相手アイコさんが、要所要所でお辞儀をする、など超日本人的に描かれていたこと!笑
彼女はまったく中国語を理解していない設定だと思うけど、事情はさておき結婚式までさせられたことに、どう思っているのか気になるところ。笑



エンドロール直前、「やっぱり言わなくてよかったでしょ?」と言わざるを得ないオチは、最高に笑えるので、これはやはりコメディ映画ですね。
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