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フェアウェルのピポサルのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.0
ボコボコに泣かせてくるのかと思いきやそんなことはなく、観ていて誰もが暖かい気持ちになれる作品。価値観の違いにより自分の気持ちを素直に伝えられないビリーは迷いながらもそれが最善と最後まで家族と歩調を合わせる。本人の手元に届く前にいち早く診断結果を受け取り加工しようとするなど、そのなかで自分ができる限りの行動を取る姿は本当に健気。そして誰も傷つかないまさかのラスト、めちゃくちゃいいんですけど...。

思わず自分の気持ちを祝いの場で正直に吐露してしまう次男や、姑であるナイナイに嫌われてると蔑むもこの一族に対する思いやりを見せつつ別れを惜しむビリーの母など、ナイナイを中心とした家族の強いつながりを感じた。

納得がいかず、かといって勝手な行動を取るわけにもいかず悶々としているオークワフィナの演技も素晴らしいし、笑いと哀しさのバランスもよい、そしてなにか押し付けがましいメッセージングはなく幸せな気持ちになれる映画としてのスタンスもめちゃくちゃ良かったです。
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