湯林檎

TENET テネットの湯林檎のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.3
2時間半という時間で最高に刺激的な体験をした。ここまで映画館でアドレナリンが大量放出したのは初めてだと思う(笑)
アクション、ストーリー構成、クリストファー・ノーランの本物にこだわったリアル過ぎる演出の全てが超一流で映画の底力を思う存分体感した。

多くの人が言っているように映画の内容は難解。主人公の名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)とニール(ロバート・パティンソン)の間柄に序盤から謎が残るが映画が進むにつれてニールの使命と運命が解き明かされていく。その辺の謎解きによる楽しみもあってか終始物語の展開から目が離せなかった。キャット役のエリザベス・デビッキは真っ白な肌にスーパーモデル並みのプロポーションが他の共演者と比べても目立っていたので普通の人間というより「ロード・オブ・ザ・リング」に出てきそうなエルフに見えた。それにしても同じ女性としてあの美貌とスタイルは純粋に羨ましい‼️
やはりこの映画において時間の流れ方は非常に重要であるので今はどこのタイムラインにいるのか、順行しているのか逆行しているのかを整理しながら見ていくことが大切だと思った。多分一発で理解はできないので終わった後に解説や考察のまとめを読んで振り返ることが大切。
話はずれるけど、ネット社会が進んだ今の時代において"知らない"、"分からない"という考え方はなしだと思う。今作の内容においても分からないことがあれば誰かに聞くなり調べるなりして自分の物にすることが大切。


以下、TENETの仕組みとエントロピーとの因果関係についての個人的な解釈。そもそもエントロピーは乱雑さを表す状態量のこと。
エントロピーが小さい(低い)状態は秩序が乱れずに均一であること、同時に利用可能エネルギーがエントロピーが多いということである。通常なら不可逆反応としてエントロピー増大の法則が働いて時間が経つにつれてエントロピーは増量していく。その逆をいく様にエントロピーが大きな状態から小さい状態に持っていくにはそれ相当の意志又はエネルギーが必要である。
例えば、例えば空いている電車の中で三密状態を作るには乗客各々が一ヶ所にまとまって座るという意識を持たなくては三密状態は作れないのと同じ。
クレマンス・ポエジー扮する科学者が言っていた"エントロピーが小さいと時間が逆行して見える"という意味はエントロピーが小さい状態に意識して持っていけば利用可能なエネルギーが増えて均一的に時間を逆行できるという解釈だと思う(ある意味カメハメ波みたいな感じ?笑)。でも、あれやこれやと考えると他の重要なシーンを見逃してしまうと思うからセリフ通り、"考えないで、感じて"観ることが大切なのかもしれないけど😅

それにしてもノーラン監督は「インター・ステラー」にせよ「インセプション」にせよ時間と次元をいじるのが好きだなw

次いつ映画館に行けるか分からないけど念のためにチェックリストに入れておきます。
湯林檎

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