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魔女見習いをさがしてのシネラーのレビュー・感想・評価

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)
4.0
『おジャ魔女どれみ』は
リアルタイム世代で、
日曜日の朝は戦隊にライダーと
本シリーズを楽しんで観ていた私だが、
本作は優しくて温かい印象
が強く残る記念作だった。

本作はシリーズの続編作ではなく、
『おジャ魔女どれみ』が
好きだった三人の主人公が大人になり、
どれみちゃん達を思い返しながら
それぞれが成長していくという、
言わばメタフィクション的な作品と
なっている。

その為、単純にどれみちゃん達を
見る映画として期待すると、
出番の少なさという点で
肩透かしな印象を受けるかもしれない。
又、物語としても、後半に登場した
男性は必要だったのか等
恋愛描写には疑問が残った。

しかし、個人的にあくまで本作は、
『おジャ魔女どれみ』の意志を
受け継いでいく作品だと感じられた。
主人公の三人組はそれぞれ、
将来の事や私生活の事で悩みを
抱えているのだが、
それらの悩みの多くがかつて
どれみちゃん達も悩んだ事でもあり、
"どんな大人になりたい"という
自分自身の確立がよりリアルに
描けていると思った。
物語の結末は、皆誰しもが"魔法使い"
であり、魔法を使う事ができるという
前向きになれるラストとなっている。
その描かれ方も本作ならではと思えた。

一本の映画として綺麗に纏まっており、
おジャ魔女ファンでなくても
楽しめる作品だと感じられた。
シリーズファンの人は、
主人公3人に共感して、より感動する事
ができると思う。
改めてシリーズを
観たくなる作品だった。
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