エクストリームマン

スケアリーストーリーズ 怖い本のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

3.9
Who Ordered The Chicken?

トラウマ級の恐怖が噂を呼び、むしろベストセラーに君臨した児童書の金字塔…が原作らしい。児童書のアダプテーションという意味で『グースバンプス モンスターと秘密の書』に近い気もするが、映画としてのベクトルは近いようで遠い。グースバンプスの映像化作品は(原作がどうかは知らないが)アドベンチャーとして構築されていたが、本作はジュブナイルでありつつ基本的に正統派なアメリカン・ホラー。両作ともアドベンチャー要素はあるものの、配分がぜんぜん違う。なんといっても、本作にはペイル・レディが出てくるのだから…

一番衝撃的なのはどうやってもペイル・レディなんだけど、かかしのハロルドにしてもジャグリー・マンにしても、子供にひとつずつ別のトラウマ刻むような、抉って削るような演出で出てくるから素晴らしい。子供のとき観てたら本当に怖くて一生モノのトラウマになっていたに違いない。パンフレットに原作の画が載っているけど、全力過ぎて、確かにこんなものが出回ってたら噂にもなる。

映画がリアクションのメディアであるからこそ、その中のある極点としてのホラーは非常に役者の技量が問われるジャンルでもある。本作は秀作ホラーの例に漏れず子役たちの演技に支えられており、ステラ役のゾーイ・コレッティやオギー役のガブリエル・ラッシュも良かったが、何よりチャック役のオースティン・ザユルのゆっくりと追い詰められていくあの表情こそが、赤い廊下を心象に焼き付けてくれた。